わたしの魔法使い
さっきまで笑い続けていた朱里ちゃんとは違い、凛と前を向いて歩く姿が格好良い。

もっとふんわりとした、パステルカラーの似合う女の子だと思ってた。


だけど、僕の隣を歩く朱里ちゃんは、白と黒のシンプルな服が好きで、よく笑う女の子だった。

料理はできないけど食べることが好きで、よく笑って…

写真ではわからなかった朱里ちゃんが隣にいる。


「…もっと知りたい…」

「――?何が?」


思わず出た独り言に返事をされて驚いた。

恥ずかしい…。

だけど、もっと知りたいんだ。
朱里ちゃんのこと。

だから、今度は僕が質問攻めにする番だ。


「朱里ちゃんはさ、何してるときが幸せ?」

「突然何?」

「うーん。何て言えばいいんだろう?…もっと朱里ちゃんのことが知りたい?みたいな?」

「変なのー!」


クスクスと笑いながら、僕の隣を歩く。

楽しそうだったり、嬉しそうだったり、クルクルと表情を変えながら僕への答えを考え込んでいる。

頭の中、見れたらいいのに……

何が好きで、何が嫌いで、いつもどんなことを考えているか。

朱里ちゃんの全部が知りたい。

これって……

どういう気持ちなんだろう?


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