わたしの魔法使い
僕は女の子じゃないから、女の子のことはよくわからない。

だけど、恋をして、困難を乗り越えて幸せになれるなら、女の子になりたい。


それに、スカートにも少し興味があるし……

ピンクのヒラヒラしたスカートを穿いて、可愛らしくお化粧もして。




……って、僕。身長180センチ!女の子になったら大きすぎてダメじゃん!

つまんないなー。

男の服ってつまんないんだよね。

女の子みたいに、スカートやワンピース、パンツスタイルとか、種類がないから。

今度生まれ変わったら女の子になりたい。



……何か話がずれてる……

そうだ!千雪の新作だ!

読みたいなー。でも、書けなくなってるって室長言ってたし……


それに、僕は待つって決めたんだ!



「…――颯太さーん!」


階段の上で朱里ちゃんが手を振っている。

笑顔を守る魔法をかけに来たのに、その笑顔が僕に魔法をかけている。

朱里ちゃんの笑顔の魔法。


効き目は絶大!



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