わたしの魔法使い
結局選んだ布団カバーは、無難に茶色のチェック柄。

…良かった……ピンクのハート柄じゃなくて……

でも、少しだけ想像してみる。

ピンクのハート柄の布団で寝てる僕…




……気持ち悪い……




布団をカートに乗せた後の朱里ちゃんは、もう無敵。

僕の意見なんて、店内のアナウンスと同じ扱い。

そう。ほとんど無視!!

スルーですよ!スルー!!

少しは意見を聞いてー!!!


「…――自転車、あったら便利だよね?」


振り返って意見を聞いてくれたと思ったら、自転車?


「自転車、あったら便利だよね!」


いや、もう質問になってない!

完全に確定…でしょ。その言い方…

しかも、ちょっと上目使いで。

そんな顔して見られたら、反対なんてできません…


「自転車代は、ご自分で…」


ケチだなーって思うけど、布団の仕返し。

だけど、朱里ちゃんには通じなかった…
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