扉の向こう
何も知らない 大槻唯花
「ねぇ!唯花も百人一首やらない?」
きっかけは幼なじみのそんな言葉だったと思う。
「なんで?」
「町内会のチームなんだけど後継者いなくてピンチだから!」
「うん。いいよ」
小6だった私は言われるがままに考えることもなく返事をした。
「じゃあ練習明日の夜6時からだから一緒に行こうね」
あっ夜なんだ‥‥
親許してくれるかな?
とか思いながら家に帰った。