扉の向こう
着信:唯花
本気で?
えっやばい、テンションあがる。
思わず布団からでて正座してしまった。
この頃の俺は一つ年下の唯花のことが大好きだった。
この頃、と言うよりも出会ってからずっと。
一目惚れってわけじゃないけどわりと早い時期からだ。
「もしもし?唯花ですけど‥」
いつもは敬語なんて使わない唯花が妙によそよそしい。
「知ってる。なしたの」
「友利ちゃんから誘いきた?」
カラオケのことか。
せっかく連絡きたからなんだろうと期待したのに。
「きたけど?」
「行くよね?」
「まあ‥‥」
こいつはなんでそんなことを聞くのだろうか。