ハナミズキ



―私は、全部話した。



遊李さんに出会ったこと、氷野くんにキスされたこと、私がそれで傷ついたこと、稀代くんに『男は、好きじゃない女にも一回はキスできるもんだ』と言われたこと、昨日、氷野くんに告白されたこと、日記を見つけたこと、記憶を失う前の“私”が氷野くんを好きだったこと…



全部話した。



でも…



どうしても、お父さんのことは言えなかった。



この2人に嫌われたくなかったから…



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