ハナミズキ
―氷野くんだった。
憂鬱な気持ちが一気に吹っ飛んだ。
「じゃ、女子の学級委員は来栖さん、男子の学級委員は氷野くんね。はい、みんな拍手!」
よろしくぐらいは言っておかないとと思った。
でも、それはただの口実。
本当は喋ってみたいだけ。
「あの…、よろしくね氷野くん!」
「…うん。」
予想外だった。
あんな自己紹介だったから、てっきり無視されると思ってた。
ほんの少しの会話だったけど、話せたことがとても嬉しかった。