ハナミズキ
玄関を見ると、大きな黒い革靴が。
きっと、噂になっていた、男の人のものだろう。
「…お邪魔しまーす…」
小声でつぶやき、階段をのぼる。
すると、話し声が聞こえてきた。
「……ちょっと、迅…!やめ…っ」
「…抵抗すんな…!おら、早く…っ」
明らかに、イヤがっている声だったので、私は急いで声のする部屋に入った。
そこには、予想していた構図だった。
綾月ちゃんは、服が乱れて、半泣き状態。
対する、迅という男は、その綾月ちゃんに上から馬乗り状態。
…無理やり、襲っているようにしか見えなかった。