ハナミズキ
「いつもより……顔つきが違った。
それに髪質も……」
「そ、それは……文化祭だったからいつもより可愛く見られようと…」
イヤな予感がする。
このままじゃ、バレちゃう!
「それとはまた別で……。
なぁ、なんかあったんたんだろ?」
「だから、何もないってば」
私は少し、苛立ちを感じた。
「教えてくれ。何があった?」
あぁ、もう!
「だから!何もないよ!!
しつこい!」
突発的にそう言ってしまった。
完全に八つ当たりだ。
サイテー…。
でも、氷野くんは……
「…悪い。
でも、知りたいんだ。
…俺は、恋華の役に立ちたい。」
と、言ってくれた。
私は、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「……ごめんなさい。
八つ当たりしちゃって…。」
頭を下げると、氷野くんは苦笑いを浮かべいた。
「…やっぱり俺なんか役に立たない、か…?」
違うんだよ。
違うの、そうじゃないの。
氷野くんは、私の大切な人なんだよ。
役に立たないことなんてない。
「…私は、氷野くんを巻き込むわけにいかないの。」
「巻き込めよ!!」
…………え…っ。