ハナミズキ
「どう、して………」
「お前は俺の友達だからだ。
お前は周りを頼らなさすぎる。
もっと周りを……俺を頼れよ!」
「…氷野、くん………」
氷野くんの優しさに涙がこぼれた。
泣いていると、氷野くんは私の涙を手でふき取り、微笑んだ。
「……話して?」
「………うん。」
勇気、だそう。
私は、氷野くんの質問に全て答えた。
―――――――――――――――
――――――――
―数分後。
「…そう、だったのか………。」
氷野くんは唖然としていた。
「…ねぇ、氷野くん。私……間違ってるかな??
大切な人を護りたくて、別れを選んだけれど…護れて嬉しいはずなのに…心にポッカリ穴が開いたみたいにむなしいの…これって何だろう?」
「俺は…正解がないと思うよ。」
正解がない?
「選ぶ道は人それぞれだ…。恋華は恋華の道を進めばいいよ。きっと、それが正解だ。」
「でも…そんなすぐに出来るかな??」
私は、不安そうに氷野くんを見る。
「すぐじゃなくてもいいんだよ。
ゆっくり、焦らず…恋華のペースでやればいい。俺はずっと、味方だから。」
「…うん、ありがとう」
おかげで少し、気が晴れたかも知れない。