ハナミズキ

進路




―あれから、1ヶ月。




今は6月の初夏である。




私の一番嫌いな季節。


暑いのか、肌寒いのかはっきりしない、この季節。

ついにやってきた進路調査票。


進路、ねぇ……




私には、目標はおろか夢も持っていない。

私は近くにいた椎名ちゃんに声をかけた。


「ねぇ、椎名ちゃん。」

「ん?どうしたの?」

「椎名ちゃんは…夢、あるの?」


「…一応は」


「どんな夢?」


すごいなぁ…

この時期から目標があるなんて…




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