ハナミズキ
悠くんが、私をかばって事故に遭ってから数ヶ月。
今日は、9月10日。
悠くんは、いっこうに目を覚まさない。
「……恋華ちゃん。大丈夫?少し休んだ方が…」
この人は『氷野 笑莉(エミリ)』さん。
正真正銘、悠くんのお母さんだ。
「…いえ。いいんです。悠くんが目を覚ましたとき、誰も居なかったらきっと悲しむだろうから……」
「そう…?じゃあ、何かあったら連絡してね。」
「…ありがとうございます。」
笑莉さんはそう言うと、悠くんの着替えを取りに一度家に帰宅した。
一方私は―