ハナミズキ
氷野くんが手伝ってくれたおかげで早く終わらすことができた。
本当に氷野くんには感謝してもしきれない。
「本当にありがとう、氷野くん!」
そうお礼を言うと、氷野くんは柔らかな笑顔で「いいよ」と言ってくれた。
すると、氷野くんがちょっと頬を赤らめながら言った。
「…なぁ、恋華。一緒に帰らないか?…話したいことがあるんだ。」
「いいよ?でも、少し待ってもらえないかな?ちょっとした用事があるの…待つのがイヤならまた今度にして…?」
ちょっと不安だった。
だって、こんないい人を自分のわがままだけで、待たすなんてありえないと思っていたから。
でも、やっぱり氷野くんはいい人だった。
「そんなん気にすんなよ!俺達友達だろ?それに外暗いし…心配なんだ。」
私がありがとうと言おうとすると誰かに腕を引っ張られた。
「…え?綾月ちゃん?」
「…ちょっと来て!」
グイグイ引っ張られる中、氷野くんは私に言ってくれた。