ハナミズキ




―悠side―





ピクッ――。





病室に機械音が響く中、俺は目を覚ました。




ここにいるはずのない、キミの体温が俺を包んで……。




息をするごとに、ヒューっヒューっと酸素マスクが白くにごる。



まだ十分に動かしきれない右腕を、俺は無理矢理動かし、腕についている点滴の針を抜いた。




「…れ…ん…げ…」




俺も―――。
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