ハナミズキ



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―今日は、純夜の退院の日。




迎えに行くのは、大学一年になった椎名ちゃんと稀代くん。



二人は、高校卒業と同時に籍を入れた。



二人は、迎えに行くとき、私のお母さんからこんなことを言われていた。


『椎名ちゃん達が一番、恋華達と仲が良かったから、その方が二人も報われる。』


だそうだ。



だから、純夜を育てるのは一番妥当な私たちの親ではなく、椎名ちゃん夫婦。




私も、悠くんも嬉しかった。



純夜を引き取り、椎名ちゃん達が次に向かった先は―――…。






私たちの墓だった。





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