ハナミズキ
『純夜、こっちよ!』
『待って、母さん!ほら、父さんも言ってやってくれよ』
『くくく…っ、恋華らしいな。ほら、危ないぞ。』
『だって、3人揃うの久しぶりじゃない!楽しいんだもん!ね、いいでしょ?悠くん』
『ったく、しょうがねぇなぁ。』
父さんが、駆けていく。
『もぅ、気をつけてくれよ?母さん』
俺も、苦笑しながら後を追う。
『分かってるよぉ!』
母さんは頬を膨らませ、すねた。
『ははっ、息子にまで心配されてる(笑)』
それをからかうかのように、父さんは指で母さんの頬をつつく。
『…えーん、純夜ぁ~悠くんがいじめるよぉ…』
『よしよし……』
それを慰めるように、俺は母さんの頭を撫でていた―――………