ハナミズキ
母さんは子供みたいだ。
母さんは17で俺を産んでくれた。
容姿は高校生のときのままだ。
容姿は同級生なのに、中身は子供。
ちょっとしたコナンじゃないか。笑
そんなことを考えながら、母さんの頭を撫でていた。
すると、どんどん母さんの身体が透けていく。
母さんは、いつのまにか“母親”の顔に戻り、俺に優しく微笑んでいた。
『か…あ…さん?
なんで透けてんだよ?』
すると、父さんも母さんに近づき、一緒に透けていく。
『と…父さんまで…
待ってよ!』
結局、母さんは母さんで、父さんは父さんなんだ。
容姿が同級生みたいでも、母さんは俺の母親なんだ。
…そんなことに今さら気づかされる。
『純夜。私達は消えてしまうけれど、私達はいつでもあなたを見守ってるから…』
「「だから、いつまでも華純ちゃんと仲良くね(な)」」
「「…最期に成長した姿が見れてよかった」」
その一言を残し、母さんと父さんは俺の前から消えた。
だけど、二人はいつでも、俺の中にいる。
『……さよなら』
ありがとう――……。