ハナミズキ
―体が重い。
まっくらな海の底に沈んでるみたい。
でも、ずっと
誰かが呼んでる声がする。
それはまるで泣いているような声で…。
「……ん………」
「恋華ちゃん!」
「恋華!綾月、俺先生呼んでくるから!」
「…ごめんなさい…、恋華ちゃん…!綾月のせいでこんな目に……!本当にごめんなさい…!助けてくれてありがとう…!」
「…………」
反応がない私に、その子は悲しそうな顔をした。
「恋華ちゃん…?やっぱり怒ってるの…?ごめんなさい……」
「…ねぇ、一つ聞いてもいい?」
「うん!なに?」
「……あなた…誰?さっきの男の子も…誰なの?」