マスカケ線に願いを
でも、そんなの嘘。
人は、一人では生きていけない。
だから、パートナーを探す。
私だって、一人では生きていけない。
だから、私だってパートナーが欲しい。
ねえ、ユズ、願ってもいい?
貴方が、私を放さないと、離れていかないと、願ってもいい?
「杏奈、愛してる」
ユズ、お願いだから、私を放さないで。
「今日は、寝かしてやらない」
「それは困るよ」
私の言葉に、ユズはとびきりの色気を帯びた笑顔で、口を開いた。
「俺の虜にしてやる」
「きゃっ」
いきなり私を抱えあげる。
「姫君、寝室へ向かいましょう」
「な、ナイトは姫に手を出しちゃいけないのよ」
「なに、気にするもんか」
「でも……んっ」
強制的にキスで口をふさぐユズは、ずるい。
「あんまり俺に我慢させるなよ、子猫ちゃん」
「っ」
こうして、ユズと私は正式に付き合うことになった。
「夜は長いぞ」
「……っ」
私は、ユズに振り回されっぱなし。