君に会いたくて
「俺が守ってやる」
そう言われて嬉しくて
忘れそうになった。
奈南のお兄ちゃんは今
病人だってこと。
いけない。
泣いてなんかいられない。
「あのっ!!」
「どしたー?」
あんなにかっこいいこと言っておきながら
すごく弱々しい返事。
「部屋で寝ててください。
あたし、看病します」
奈南のお兄ちゃんは少し
驚いた顔をした。
「いいから早く」
軽く背中を押すと
腑に落ちない表情で
階段を登って行った。