君に会いたくて
壁のほうを向いて
あたしに背を向けて寝る奈南のお兄ちゃんに
問いかけた。
「いい。治るから。」
なんて答えが返って来た。
そんな…
「じゃあ奈南に頼みますね、病院」
「いい。奈南に迷惑かけたくないから」
迷惑って…
奈南が迷惑なんて思うはずない。
奈南にとっては大切な家族なんだから。
「じゃああたしを頼ってください!
頼りないかもしれないけど
あたしを頼ってください!」
あたしはおもむろに箱から冷却シートを出した。
「ちょっ、つめてーよ」