君に会いたくて
「つか、帰んないの? 」
相変わらずあたしに背を向けて
そう言った。
「あー…」
奈南のお兄ちゃんの部屋に掛かっている
時計を見ると、もう20:00をまわる直前だった。
さっき、奈南からメールが来て
まだ帰れそうにない、って言われた。
打ち上げが盛り上がって
カラオケに行くことになったみたい。
まさか、具合が悪い人を置いて
帰るわけにはいかないし…。
でも、居ても迷惑かなー。
なんて思ったり。