トーカタウンの子供たち
「俺がやる」
ハジメっちがラビィのパネルを器用に動かし始めた。いったいどこでこんなことを覚えたのだろう。

「俺が撃つから、カズマはあっちのビルの上のやつに照準を向けてて。タロちゃんはアーサーさんの近くの奴に」
巨大ラビィの内部には全方位のモニターがある。ハンドルを手にしてそれぞれのターゲットに狙いをつける。

ビッグラビィの巨大な左腕からビームが発射された。それがアーサーを狙撃していた丘の上のラビィを撃ち抜く。

続けて右腕からアーサーさんに張り付いている青いラビィの足も撃ち抜いた。

「よっしゃー!」
「ハジメっちやるぅ」

「舐めた真似をしてくれる」
一機のラビィがこちらに向かってくる。

「ラヴロフ、見たことのないタイプのラビィだ。破壊はするなよ?」
何者かの通信を傍受した。

「やばい、こっちに来るぞお」

「うわぁぁぁ」

目をつむる。しかし敵がこちらに迫る気配がない。目を開けると逆光の中にラビィの背中が見える。

迷彩色のラビィが食い止めている。

「ラルフ…さん?」

さらに疾走してきた紫のラビィが青いラビィのモノアイを腕のパイルで突き破った。

「なん、だと?!」
青い機体が膝をついて崩れ落ちる。

「リンさん!?」

「お前ら自力で脱出したんか」

「遅くなってごめんね」
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