トーカタウンの子供たち

人質

正規軍が集まり始めていた。ビッグラビィは二発のビームでエネルギーをほとんど使いきっている。古い機体だったようだ。

「ここも危険やな。市外地から続々と増援が来とる。議事堂まで移動や」

正規軍到着に集まりかけた民衆も散っていた。
「ダメだ。やっぱり失敗だ」
誰かが叫んでいる。

ビッグラビィを議事堂前まで移動させ、残ったエネルギーとハリーの力で正規軍を足止めする構えをとる。アーサーさんたちも合流した。

「いずれこのラビィも一斉に狙われる。お前たちは降りるんじゃ」
「ハリー!危なくなったら逃げて」
「ああ。また後でな」

ラビィから降ろされた僕らは議事堂へ向かった。

銃撃戦が止んでいる。
「議事堂はほぼ制圧した。しかしゲニーエフがいない」
やりとりが聞こえる。

両陣営がバリケードを作っている。正面は膠着していた。
危険だからあっちにいってろと追い払われる。

ひとけのない裏手にまわる。すると髭を生やした男と遭遇した。偉そうな軍服を着ている。手には銃を持っていた。

「なんだ貴様らは。なぜ子供がここにいる」

「やばいぜ、カズマ」
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