下剋上はサブリミナルに【BL】
「西島くんが東条くんにまとわりついてるから私達が入り込む余地がないのだ」という風に。


そして今みたいに、その感情を結構分かりやすい形でぶつけてきたりするからげんなりする。

この話の流れでバレバレだろうけど、実は斉藤も洸に告白してフラれたうちの一人だ。

何故オレがそれを知っているかというと、洸がオレに報告して来たから以下同文。

ちょうどその頃から斉藤のオレに対する風当たりが強くなって来たので間違いないだろう。

そして彼女だけでなく、オレは今までにもこんな風に女子の怒りをちょいちょい受け止めて来た訳だ。

そんなハードな事をされるワケではないんだけどさ。

廊下ですれ違いざま睨まれたり、ふとした時に、チクリとイヤミを言われるくらいで。

ただ、それが勘違いから来る八つ当たりだという所に叫び出したいくらいのやるせなさを覚える。

も、ホント、泣いても良いですか?

誰が好き好んであんな奴にまとわりつくか。

離れられるもんだったらとっくに離れてるわい。


だけど、17歳のガキのオレには、まだ何もできない。

アイツから逃れる為にはまずあのアパートを出なくちゃだけど、もちろん母ちゃんにはそんなつもりないしまだまだあの家で働く気満々だしオレはそんな母ちゃんに養ってもらってる立場だし。
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