下剋上はサブリミナルに【BL】
ちなみに本屋とコーヒーショップは同じ敷地内に建てられていて、駐輪場も共有なのでわざわざ自転車を移動する必要は無い。


「あ、東条くんだ!」


店内に足を踏み入れるやいなや、きゃぴっとした女子の声が飛んで来た。

発信源と思われる方向に目を向けると、うちの高校の制服を来た女子が3人、レジカウンターにほど近いソファーを陣取っている。

その瞬間『ゲ』と思った。

その中に斉藤がいたからだ。

他の2人は、たしか洸と同じクラスで顔は何となく覚えてるんだけど名前までは知らない。

同じ中学出身者ではないので、きっと斉藤とは1年の時に同じクラスで仲良くなったんだろう。

ようするに、この3人は全員洸と顔見知りってワケだ。

つーか洸の場合、クラスどころか学年も違う女子と、普通にフレンドリーに会話してたりするんだけどな。

部活は入ってないし全員学級委員長ってワケでもあるまいし、一体どういうツテで知り合うのか。

やっぱ洸と仲良くなりたくて、女子サイドから何かと口実を作って近寄って来るのかね。


「ぐうぜ~ん!東条くんて、家こっちじゃないよね?」


女子達は立ち上がり、洸に近寄ると当たり前のように取り囲んだ。
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