下剋上はサブリミナルに【BL】
金持ちの坊ちゃんなんだからさ、私立の幼稚園とかに入ってそのままエスカレーター式に大学まで行っちまえば良いのにとか思うけど、社長と奥さんがそういうのを敬遠してるらしくて。

｢中学校までは公立で色んな性格の子に揉まれた方がいい。そんで高校と大学は自分が頑張って入れるところへ｣と母ちゃんに言ってたらしいのだ。

そういう庶民的な考えは好感が持てるしますます２人の事が好きになっちゃったりもしたんだけど、そのお陰でオレは洸とずっと同じ学び舎に通う羽目になってしまった。

いや、高校で離れられるかなと内心期待はしていたんだけど、お互い志望校が同じだったんだから仕方ない。


地方だから、あまり選択肢が無いんだよね。


ここは県内では一番の進学校だし。


優等生の洸は当然狙うし、オレも、金銭面で私立は絶対に避けたかったし、授業料が安くて家から近いこの学校にはぜひとも入りたかった。

洸と同じ所に通うのが嫌だ、なんて理由で諦める訳にはいかなかったのだ。

そんで、２人はめでたく合格し、現在に至る。


でも、大学生になれば、今度こそ離れられるだろう。
< 25 / 67 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop