下剋上はサブリミナルに【BL】
オレが狙ってるのは隣の県にある国立大の、その中では比較的偏差値の低い学部なので、おそらく洸は選ばない筈。

実際、以前さりげなく探りを入れたら、東京の有名私大に照準を合わせてるみたいだし。

そんで洸の学力ならそういう所も結構余裕で狙える感じなのだ。


オレはいつも試験前にコツコツ勉強して学年で20番以内くらいだけど、洸は特に何もしている様子はないのにトップ5には入ってるし。

同じ高校とは言っても、やはり学力の差は出てくる。

でも、それにより2人の進路に違いが出てくるのだから、オレとしてはむしろ大歓迎!


お前はお前らしく、華々しい人生を歩んでくれよ。

オレはオレで、地道に真面目に頑張って行くからさ。


「また『ぼー』っとしやがって」


そんな風に自分の思想に浸っていたら、横から若干イラついた声をかけられた。


「ったく、お前はホントにボケてるというかマイペースというか」


いわずもがなで洸だ。


これから帰路につくべく、2人で昇降口まで降りて来た所なのである。


「そういう所、すごくいらいらする」
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