下剋上はサブリミナルに【BL】
「ありゃ、結構ヒドイな。保健の先生に消毒してもらってこい」

「はい」

「どうせもうすぐ授業終わりだから、そのまま教室に帰って良いからな。じゃ、3組から、代わりに誰か入って」


見学組から1人補充され、ピッという笛の音と共に、試合は再開された。


「ホントごめんな」

「ん」


オレとぶつかった山本も、顔の前で手を合わせつつ、試合へと戻って行く。


さすが熱血体育会系。

礼儀正しいよな。


「おい、忍。保健室付き合うよ」


負傷した右足を引きずりつつ歩いていたら、勇気が近づいて来て肩を貸してくれた。


「サンキュー。でも、勝手に抜けて良いのか?」

「だって、ただ試合見てるだけじゃん。別に差し支えないだろ」


擦りむいただけでなく、ちょっと足首を捻ったようで、独特の鈍痛があり、勇気の申し出は正直有り難かった。


素直に肩を借り、保健室へと向かう。


「あらまー。派手に転んだね」


保健室にたどり着き、膝を見せるなり、先生に感心したように言われてしまった。


「実はちょっと、足首もヤバイ感じで……」

「あらら、どれどれ見せてごらん」
< 44 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop