下剋上はサブリミナルに【BL】
「普段はソツなく爽やか優等生を演じてるくせに、ついに本性現したな、って感じだよ」


ふっとため息をついたあと、勇気は何とも説明しがたい、微妙な表情を見せながら、しかしキッパリと言い切った。


「お前、すごい厄介な奴に好かれちまったな」


じゃあな、と言うと、今度こそ勇気はその場を去って行った。


勇気の分析には思い切り頷きたくなる部分もあるけれど「洸がオレを好いている」という点については同意しかねるんだけど。


アイツがオレに対してその手の感情を抱いているとは到底思えない。


オレを傍らに置いておくのはあくまでも「幼い時からの友達を大切にしている心優しい男」というのを周りにアピールする為だし、純粋な友情からではないだろう。


友情ごっこをするだけなら別に他の奴でも良いんだろうけど、オレほど自由に思い通りに動かせる相手は中々いないだろうから。


何か気に入らない事があった時の八つ当たり要員として使えるし、我が儘言いたい放題だし。


そしてそういう事をされても逆らえないように小さい時から刷り込みされてるし。


……改めて考えるとホント最悪な関係性だよな、オレと洸って。
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