下剋上はサブリミナルに【BL】
「そん時チラッとこれが見えて……。古くなったから捨てるのかな?なんてマヌケな想像してたんだけど」


話すうちに、山本の眉は段々と吊り上がって来た。


「しっかし陰険なことするよなー。俺、こういうの大っ嫌いなんだよ」


オレの為に怒ってくれているというのに、人ごとのようにぼんやりと見守ってしまう。


「その女達の顔も名前も分かるぜ。俺が証人になってやるから、文句言ってやれよ」


そうだよな、隣のクラスだし、体育の時間が同じなんだから自然と名前も覚えるよな、などとどうでも良いような事を考えていたら右手で肩を掴まれ、揺すられた。


「おい、西島、聞いてる?」

「あ、ああ」


我に返って答えた。


「いや、良いんだ。原因は分かってるから」

「え?」

「ちょっと、女子と喧嘩しちゃって。それの仕返しだと思う」

「仕返しって……。タチが悪すぎないか?これ」


山本はますます眉間にシワを寄せた。


「いや、良いんだホントに。オレも悪かったんだし」


オレは山本の瞳をじっと見つめつつ、懇願した。


「オレが自分で解決するから。だから、この事は誰にも言わないでくれよ」
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