下剋上はサブリミナルに【BL】
「どこに行くつもりなんだ?」

「○○大学の、福祉科だけど……」

「じゃあ俺もそこにするか。学部は違うけどな」

「はぁ!?」


オレは思わずテンパった。


「お、お前、そんな、あっさり進路変えるなよっ」

「何で?」

「何でって、お前は有名私大を狙ってただろ?」

「そこにだって俺の希望してる学部はあるんだから別に問題ないじゃないか。しかも国立だし、世間の評価も悪くない。私立の大学に通うとなるとそれなりに金もかかるし、しかもこの時代、そのブランド名も大した効力は無いしな」


オレがそんなこと言ったら負け惜しみもいいとこだけど、たいていの大学は合格圏内であろうコイツが言うと妙に説得力がある。


「でも、社長さんも奥さんも、いきなり志望校を変えたりしたら戸惑うんじゃないのか?」

「あの2人はあくまでも俺の自主性にまかせてくれている。それに関しては問題ない」


洸はきっぱりと言い切った。


「まぁ、後は受かってからの話だ。その時になって、またじっくり話し合えば良い」


そう囁きながら、洸はオレの顔をじっと凝視して来る。


ど、どうでも良いけど、いつまでこの体勢でいんの?
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