下剋上はサブリミナルに【BL】
ぼんやりとそんな事を考えている間に無事学校にたどり着き、昇降口で上履きに足を入れている所で洸に宣言された。


「帰り、本屋で参考書買うから付き合え。授業が終わったら、教室まで迎えに来いよ」


当然、オレには拒否権は無い。

言いたい事だけ言って、さっさとその場を去る洸の後姿を見つめつつ、オレはため息をついた。


ちなみに、洸は2年1組の学級委員長。

当該委員は月に一度「定例会議」というものに出席しなければならない決まりがあり、それで奴はこれからその会場となっている視聴覚教室へと向かうのだ。

今までは放課後にやっていたんだけど、部活や補習や塾などでその時間に集まるのは難しいという生徒が結構いて、それならばと、今回から始業前に開かれる事となったらしい。

ウチは進学校なので、1年のうちから塾に通ったり家庭教師を頼んだり、また、希望者だけの特別補習に積極的に参加する生徒も珍しくはない。

普通だったら『朝っぱらから会議なんて面倒くさ』と思うだろうけど、その案は意外とすんなり受け入れられたらしい。

放課後の貴重な時間が潰れてしまう事に比べたら、多少の早起きくらいどうって事ないんだろう。
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