アンダーサイカ
段ボールの中から、紙と紐で封がされた小さな壷を取り出して、空いてる棚に移していた頃、
ヨシヤがピタッと手を止めた。
「今夜は荒っぽいお着きですね。」
「?」
またよく分からないこと言ってる…。
私が首を傾げた直後だ。
ゴオォーッと、天井のもっと上のほうからけたたましい音が鳴り響いた。
「っ!?」
壁も床もガタガタと揺れる。
この感覚を、私は知っていた。
“電車”がホームに滑り込む音だ。
「うそ…。なんで…。」
時計は夜中の1時過ぎを指してる。私だって、こんな夜中に電車が普通は走らないことを知ってる。
それに………、電車の音がやがて止んでいく。
停まったんだ。“この駅”に。