アンダーサイカ


自分の口から名乗ったら支配されてしまう。なら相手に当てさせればいい。
なかなか冴えてると自分を誉めそやしたいくらいだった。



ユタカユタカと歌いながらピョコピョコ歩き回るヒヨコオバケは放っといて、私は黙々と作業を始める。

段ボールの中には、なんだか怪しそうな包み紙がいくつも収まっていた。
薬…なんだろうけど、そもそもこの店の薬はどれもこれもデザインが怪しすぎる。


触るのを躊躇っていると図ったようにヨシヤから、


「豊花ちゃん。その箱の薬、戸棚の小箱にきちんと移してくださいね。」


そんな催促を受けてしまった。

はいはい、やりますやります。移しますよーだ。



【ユタカ!ユタカ!】

「ん?なに?」


せっかく作業しようとしたのに、興奮気味のヒヨコオバケに呼ばれて手が止まってしまった。

一応お客様だから無視するわけにはいかない。
そっちにちゃんと目を向けるとオバケは、


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