アンダーサイカ
「ふふ、お利口さん。
そうか、この方法がありましたね。お子様らしい無邪気な発想です。」
「…褒めてる?」
ヨシヤはメモを白衣の胸ポケットにしまって、しゃがんでいた脚を立たせる。
と同時に、なぜか私の手も引いて立ち上がらせた。
まだ作業終わってないのに。
「豊花ちゃん、ここは楽しいですか?好きになれそうですか?」
ギュッと手を握られて、穏やかな声に訊ねられる。
私はちょっと動揺した。
だってヨシヤの言い方、まるで私に「心からここにいたい」と言ってほしいみたいなんだもの。
ヨシヤは私を支配してるんだから、居続けさせることは簡単なはずなのに。
私の意志は、そこに必要…?
「正直、お店はどこも不気味だし、オバケは怖いし、やっぱり好きにはなれそうにない。」