アンダーサイカ
だけど、なんとなくだけど…、
「でも嫌いじゃないかな。
今のところはヨシヤが優しいから、居づらくはない…し。」
オバケたちは喧しいけど、不思議と嫌じゃなかった。
大好き…ってほどじゃなくても、暇つぶしくらいには楽しめそう。用はないけどコンビニに入り浸る感覚に近い気がする。
そんな曖昧な回答じゃ、ヨシヤは納得しないかしら。
「そうですか、良かった。
僕も豊花ちゃんと居るのはなかなか心地好いです。
食べてしまうのが惜しいくらい。」
「………そう。」
何が言いたいんだろう。
あんたは私を食べるために傍に置いてるんでしょうに。
そうは思うんだけど、この時私は少し確信に似たものを感じた。
―――ヨシヤはきっと、そのうち気を変えてくれる。
だって、この人そんなに悪そうには見えないもの。
ヒヨコオバケが言ってた“アンダーサイカから逃げた人”はきっとよっぽど悪いやつ。
でも私には、ヨシヤが“そんなこと”をするようには見えなくなっちゃって。