アンダーサイカ
「もしもし、潤ちゃ………」
《豊花っ!!
今日何か用事ある!?》
「ん」まで言い終わらないうちに、潤ちゃんの物凄い大声が受話器から飛び出してきた。
耳がキーンとする。
いつもここまで怒鳴ることがないから、今日は機嫌が悪いのかと思ったけど、
「…え、何もないけど…。」
《あ、ホント?良かった!
あたし考えたんだけどね、
ほら、アンダーサイカのグループ研究、ダメになっちゃったじゃない?》
「…………。」
そっか、拓くんと潤ちゃんはアンダーサイカのこと知らないんだ。
正しくは記憶が書き換えられてる。
私たちの間では、アンダーサイカの都市伝説は嘘八百として決定されたんだよね。
「うん、そうだね。それが?」
《だから早く次の研究テーマ決めようと思ってさ、こんなのどう?
今までにこの町で起こった奇妙な事件を調べて、まとめるっていうのは!?》