アンダーサイカ
パソコンの使い方は、学校の技術の時間に教わったし問題ない。
それにあんまり馴染みないパソコンに触るっていうのが、なんだか偉い学者さんになったみたいで気持ち良い。
ちょっとニヤニヤしながら横を見ると、潤ちゃんが素早い指さばきでキーボードをカタカタッと打っていた。
そのあまりのスピードに学者気分は一瞬で吹っ飛び、私は目を見張る。
「とりあえず“町内 事件”で検索かけて、出てきたものは片っ端からメモしましょ。
普通じゃないちょっと不気味だったり奇妙な事件は詳しくメモねっ!」
「……潤ちゃんがイキイキしてる…。さすが現代っ子。」
…でも、良かった。いつもの潤ちゃんだ。
最初にアンダーサイカに入った時は拓くんも潤ちゃんもビクビクしっぱなしだったから。
いつもと同じ強気な潤ちゃんを見て、私の口から自然にホッと溜め息がもれた。