アンダーサイカ
「じゃあ豊花、明日も図書館集合ね~!」
潤ちゃんとは結局夕方くらいに別れた。
明日も明後日も、皆(というかきっと拓くんは明日も来ないだろう…)の予定を合わせつつ、町内事件調べはまだまだ続けてくつもりだ。
潤ちゃんの家の前まで見送りに行って、そこから私の家までのおよそ15分は一人で帰る。
夜中だったら怖いけど、夏の夕方はまだ太陽が沈んでいないままだから充分明るかった。
「あ、きれーな雲。」
私は、空を埋め尽くすちぢれた雲を目で追った。
夕焼けと夜闇が混じって薄紫色に染まる雲と空。綺麗だし、どこかサツマイモのデザートのようで美味しそう。
お昼に食べたハンバーガーはとっくに消化されてたから、サツマイモ雲に刺激された私のお腹は「くうぅ」と弱々しい悲鳴を上げた。