アンダーサイカ


すると、ヨシヤが人差し指でチョイチョイッと私を呼び寄せた。

「?」

意図が分かるはずもなく、私は素直に近づく。
頭が、ヨシヤの胸のあたりに触れそうになるまで近づくと、彼は片手に握っていた“ある物”を手渡してきた。


受け取ったものをまじまじと見る……。


「お金?」


青っぽい色をした、ちっちゃく硬いプレートが数枚。
ヨシヤとオバケがやり取りしていたこの世界のお金だ。



まさかとは思うけど、これを私にくれるために…?


「今日、豊花ちゃんに頼みたいのは“おつかい”です。

2番街の肉屋さんまで、そのお金で買えるぶんのお肉を買って来てほしいんです。」


「お………おつかい……。」


ろ、6年生にもなって…!


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