アンダーサイカ
「な、なんでそんなのっ!
お客さんがまだ来ないなら、自分で行けばいいじゃない。
私よりずっとこの世界に詳しいくせに!」
これじゃお願いというより、ただの嫌がらせだ。
大体いくら地下街と言ったってここに「何番街」と名がつくほどの規模はないはずだ。
現にこの薬屋の辺りが、地下街の最奥にあたるんだから。
ひょっとしてからかってるの?この人?
空腹も相成って犬みたいに唸る私。
「ええ、確かに僕はこの世界に詳しいですよ。長いこと住んでますから。
肉屋さんが2番街にあることも、魚屋さんが16番街にあることも知ってます。」
「きぃ、またふざける!
この地下街に16番街もあるわけないでしょ。どこなのそれ。」