アンダーサイカ


「え、そうでしたか?
いやぁ気づかなかったなぁ。」


そんな軍服男を前にしてもヨシヤは自分のペースを崩さない。
分かっているくせに、男の人をからかってる。

私はハラハラしながらその会話を見守る…。



「決まりは知っているだろう。

持ち場の外に一歩でも出たら俺達“警備員”に罰金を支払う。」


男の人は自分を警備員と称した。

この時、私の頭の隅に築き上げられていた警備員像が完成したのだ。


―――お、思ってた以上に恐い…っ!!



「はいはい、分かりました。」


ヨシヤは素直に、懐からプレートのお金を出す。

…けど、


「えっ!?」


その量が多すぎる。
オバケが薬を買った時に出したお金の5倍…いや、10倍はある。

それを、何の躊躇もなく警備員さんに渡したんだ。


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