アンダーサイカ
意地でも逃げたい気持ちも分かる気がする。
そのために、地上人(わたし)を食べたいって思うのも…分からなくはない。
でもそんなのはごめんだから、
「…行ってくるよ、おつかい。
お肉屋さんはどこにあるの?」
預かったお金を強く握りしめた。
…少しでも、彼の負担を軽くしたかった。
「ありがとう豊花ちゃん。
実はね、いつも頼んでいる配達屋に昨日から電話が繋がらなくて困っていたんです。
豊花ちゃんがいてくれて良かった。助かります。」
「…………っ。」
こんな素直にお礼言われたの、初めてかも…。
ちょっと照れ臭くて、私はプイとそっぽを向く。
その隙に、ヨシヤはメモ用紙にサラサラと何かを書き始めた。