アンダーサイカ
「じゃあ、行ってくるね。」
お金をポケットにきちんとしまって、片手にはヨシヤの描いてくれた地図。
パタパタと手を振れば、ヨシヤもにこやかに手を振った。
さっきの警備員さんを見た後だ。少し警戒しながら恐る恐る通路を歩くけど、ここの商人じゃない私がいくら進んでも警鐘は鳴らなかった。
ちらっと後ろを見る。
「!」
ヨシヤはまだ私のことを見ていた。
さっさとお店の中に戻ればいいのに…。
恥ずかしくなって、私はちょっと小走りに近くの通路に滑り込んだ。