アンダーサイカ
「…今日のお使いのこと。
配達員さんに頼めず困ってて、豊花ちゃんにしか頼めなかったのは本当です。
…でも、今になって思い返してみたらね、
もしかしたら僕は、本当は豊花ちゃんと、楽しくご飯を食べたかっただけなのかもしれないんですよね。」
「……。」
そっか。
あんなに材料があるなら、わざわざお肉を買い足す必要なんてなかった。
それでも、ヨシヤは私と食べたかったんだ。
大好きなすき焼き…。
「…私も、」
「ん?」
「ヨシヤと食べれて楽しかったよ。ごちそうさま。」
生まれて初めてのすき焼きが、ヨシヤと一緒で良かった。
そう思えてしまうくらい。
私の言葉を聞いたヨシヤはまた嬉しそうに微笑んでいた。