アンダーサイカ


「旧斎珂駅の大量自殺くらいねぇ。」


「うえっ、自殺…?
気味わりぃなぁ…。」


拓くんの言った「気味悪い」とは大量自殺に対してなのか、はたまた平然と言ってのけた潤ちゃんに対してなのか。



「これ以外には特集できそうな事件は無いし。
それに斎珂駅なら、アンダーサイカの都市伝説とも絡められそうじゃない?」

私の言葉に、潤ちゃんも拓くんも特に否定的な様子はなく、「うんうん、それもそうだ」と鳩みたいに頷いていた。


「あたし夕べ、パパのパソコン借りてちょっと調べてみたんだけどさ、スゴイのよ。

大量自殺と呼ばれたのはここ数年らしいんだけど、実はそれよりずっと昔から、自殺自体は定期的にあったんだって。」


潤ちゃんの目の色が変わる。
探偵かはたまた、秘密警察の調査員にでもなったかのようだ。


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