アンダーサイカ


潤ちゃんが書き写してくれたノートを、一晩だけ借りることにした。



「……………。」


字を睨みながら、1ページ1ページをめくっていく。

時計は夜9時を回っていた。



「…未成年…。10年前…。ニシジロミノル……。」


…間違いない。
これは稔兄ちゃん。


お母さんたちは、稔兄ちゃんが自殺したから、私に死の真相を隠したのかな。

私がショックを受けるから…?


―――確かにショックだった…。言いたくないよね、こんな事実があったなんて……。



それは分かる。
でもやっぱり気になるのは、お母さんたちが頻繁にごまかす、稔兄ちゃんの“素性”。



「……あのお兄さんたちが言ってたことなんて、本当じゃないでしょ…?

稔兄ちゃんは、私の………。」



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