アンダーサイカ



リビングには受話器を持ったお母さんと、


「………あ。」


テレビを見ながらご飯を食べてるお父さんがいた。

気づかなかった。いつ帰って来たんだろう。

「おかえり、お父さん。」

軽くお父さんに向けて挨拶をした。

けど帰ってきたのは、


「………うん。」


視線をテレビに向けたままの、お父さんの生返事。


「…?」

いつもはもう少し明るいのに。
変な違和感を覚えつつも、私は潤ちゃんが待つ電話に出た。




「もしもし、こんな時間にどうしたの潤ちゃん?」


《ごめん急に…。

…あのね、今日一日、豊花元気なかったじゃん?
あれってやっぱり、気づかずにあんなサイト見せたあたしのせいだから、それ謝りたくて…。

…本当、ごめんね……。》



「…………。」


< 260 / 506 >

この作品をシェア

pagetop