アンダーサイカ
リビングには受話器を持ったお母さんと、
「………あ。」
テレビを見ながらご飯を食べてるお父さんがいた。
気づかなかった。いつ帰って来たんだろう。
「おかえり、お父さん。」
軽くお父さんに向けて挨拶をした。
けど帰ってきたのは、
「………うん。」
視線をテレビに向けたままの、お父さんの生返事。
「…?」
いつもはもう少し明るいのに。
変な違和感を覚えつつも、私は潤ちゃんが待つ電話に出た。
「もしもし、こんな時間にどうしたの潤ちゃん?」
《ごめん急に…。
…あのね、今日一日、豊花元気なかったじゃん?
あれってやっぱり、気づかずにあんなサイト見せたあたしのせいだから、それ謝りたくて…。
…本当、ごめんね……。》
「…………。」