アンダーサイカ


「んん?
何だよ何だよ薬屋ぁ!
ユタカちゃんにはまだ言ってないのかよ!
あっぶねえなぁッ!」


ヨシヤの発言に反応したのは配達員さんだった。

―――危ない?


どういうこと?と目だけでヨシヤに訴える。


「だって、前もって伝えたら、豊花ちゃんが恐がって手伝いたくなくなるかもしれないですから。

でもさっき、ちゃんと“手伝う”って約束してくれましたから教えてあげますね。」


「………………。」

あくどい男だ。
その鬼とやらより、ヨシヤのほうがよっぽど恐ろしいよ。



思わず呆れ顔になる私。
しかしヨシヤは少しだけ、眼差しを真剣なものに切り替えた。


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